引き直し計算 完全ガイド

Money Japan

取引履歴の開示は貸金業者の義務です

過払い請求の手続きが始まったばかりの頃は取引履歴の開示がされないということもありましたが、平成17年7月19日に最高裁判所の判決で取引履歴の開示は貸金業者の義務であり、応じない場合は不法行為となるという判決が出てからは、取引履歴の開示に応じないという業者はいなくなりました。

またその後、貸金業法の改正により帳簿類の開示が義務付けられました。

貸金業法 第十九条の二
債務者等又は債務者等であつた者その他内閣府令で定める者は、貸金業者に対し、内閣府令で定めるところにより、前条の帳簿(利害関係がある部分に限る。)の閲覧又は謄写を請求することができる。この場合において、貸金業者は、当該請求が当該請求を行つた者の権利の行使に関する調査を目的とするものでないことが明らかであるときを除き、当該請求を拒むことができない。

しかし、取引が長い場合、「古い取引履歴は破棄した」と開示に応じない業者がいることも事実です。
例えば、レイク(現 新生フィナンシャル)では裁判になったときでも1993年9月以前の取引履歴は既に破棄しているという理由で出すことはありません。

このような一部の取引履歴が開示されないという場合では、通常の引き直し計算ではなく、例外的な計算方法を取ることになります。

それが、

  • 残高無視計算(ゼロ計算)
  • 推定計算

と呼ばれる方法です。

どちらの計算方法も貸金業者との取引を完全に再現できたものではありません。
そのため過払い請求の裁判の時には業者側の反発も大きいです。
裁判所に認められないという訳ではありませんが、認められるために補足の資料も用意する必要があります。

通常の過払い請求であれば自分でやれば良いと思いますし、それが一番良い形だと思いますが、推定計算や残高無視計算をベースにした過払い請求をするのであれば、弁護士や司法書士に依頼しても良いかもしれません。