取引履歴が一部開示されない場合の計算方法、それが残高ゼロ計算
推定計算と同様に取引履歴の開示請求をした場合に、古い記録が破棄されていることによって、取引の途中から現在までの取引履歴しか出されない場合に使う引き直し計算の方法として残高無視計算(ゼロ計算)というものがあります。
※一部開示されていない取引履歴をそのまま使って引き直し計算をした場合は取り戻せる過払い金の額が大幅に減ることになるので気を付けてください。
- この計算方法は、
- 残高無視計算
- ゼロ計算
- 残高ゼロ計算
- 冒頭ゼロ計算
などといろいろな名前で呼ばれています。
どの様な計算方法かというと、取引履歴が開示された段階で借金は0円になっていたと仮定して引き直し計算を行う方法です。
残高無視計算(ゼロ計算)を使う場合
例えば、取引年数が長く、数年分の取引履歴が開示されなかったとします。そして出されたのは借入残高45万円から始まっているものです。
貸金業者が、「どういう形で借入と返済が繰り返されてきたのかは分からないけど、手元の記録では45万円の借金があなたにはあるよ。」といってくるわけです。
これに対して、残高無視計算という計算方法を取るということは、「いやいや、どういう取引をしてきたか分からないけど、この段階では借金は0円になっているはず」と借金45万円を0円として考え、その後の取引(借入と返済)の引き直し計算を行っていく方法です。
いきなり借金を0円と仮定するなんて、そんなの認められないんじゃない?と思う人もいると思いますが、一般的には5~6年間、キャッシングを利用していれば過払い金が発生しているはずです。なので開示されていない取引履歴の期間が5~6年あれば認められる可能性が高いです。
もちろん、この期間の取引を裏付ける資料(契約書・請求書・領収書・ATM控・取引が記載されている預金通帳など)があれば、より一層認められやすくなることでしょう。
この冒頭0円の取引履歴を使って引き直し計算を行うのが残高無視計算なのですが、具体的な計算方法は通常の計算方法と代わりはありません。
借入・返済の日付と金額をソフトに打ち込んでいくだけです。
推定計算も残高無視計算も、開示されなかった期間の取引履歴を推定したり再現することによって行う引き直し計算の方法であり、過払い金を、より多く返還してもらうための手段でもあるのです。