過払い金を取り戻そう!

Money Japan

一連取引と評価できるかの具体的基準

長年、借金をしていると、「一度は完済をしたけれども、またお金を借りた」ということはあると思います。

過払い請求では、最初に完済するまでの契約(第一契約)とその次の契約(第二契約)は、それぞれ別の契約として扱うのか、一つの契約(一連契約)としてみなせるのかということが問題となります。

こちらも併せてチェック!

なぜ問題かというと、それぞれ別個の契約と判断されると、時効により過払い請求ができなくなる(お金が取り戻せなくなる)こともあるからです。
この場合、特段の事情がない限り、第一契約で発生した過払い金は第二契約に充当されません。

そこで、気になるのが特段の事情の判断基準です。

  • 第一の基本契約に基づく貸付及び弁済が反復継続して行われた期間の長さ
  • 最終の弁済から第2の基本契約に基づく貸付けまでの期間
  • 第1の基本契約についての契約書の返還の有無
  • 借入れ等に際し使用されるカードの失効手続の有無
  • 最終の弁済から第2の基本契約が締結されるまでの間における貸主と 借主との接触の状況
  • 第2の基本契約が締結されるに至る経緯
  • 第1と第2の各基本契約における利率等の契約条件の異同

第一の基本契約の契約書が返還されず、カードも有効のままで、貸金業者から「また借りてください」などと勧誘の電話があれば一連取引と認められやすい・・・ということになりますね。

最高裁判例 詳細
事件番号 平成18(受)2268
事件名 不当利得返還等請求事件
裁判年月日 平成20年01月18日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
裁判種別 判決
結果 破棄差戻し
判例集 巻・号・頁 民集 第62巻1号28頁
原審裁判所名 名古屋高等裁判所
原審事件番号 平成18(ネ)435
原審裁判年月日 平成18年10月06日
判示事項
  • 第1の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに対する利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金を,その後に締結された第2の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに係る債務に充当することの可否
  • 第1の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに対する利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金を,その後に締結された第2の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに係る債務に充当する旨の合意が存在すると解すべき場合
裁判要旨
  • 同一の貸主と借主との間で継続的に金銭の貸付けとその弁済が繰り返されることを予定した基本契約が締結され,この基本契約に基づく取引に係る債務について利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると過払金が発生するに至ったが,その後に改めて金銭消費貸借に係る基本契約が締結され,この基本契約に基づく取引に係る債務が発生した場合には,第1の基本契約に基づく取引により発生した過払金を新たな借入金債務に充当する旨の合意が存在するなど特段の事情がない限り,第1の基本契約に基づく取引に係る過払金は,第2の基本契約に基づく取引に係る債務には充当されない。
  • 同一の貸主と借主との間で継続的に金銭の貸付けとその弁済が繰り返されることを予定した基本契約が締結され,この基本契約に基づく取引に係る債務について利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると過払金が発生するに至ったが,その後に改めて金銭消費貸借に係る基本契約が締結され,この基本契約に基づく取引に係る債務が発生した場合において,下記の事情を考慮して,第1の基本契約に基づく債務が完済されてもこれが終了せず,第1の基本契約に基づく取引と第2の基本契約に基づく取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価することができるときには,第1の基本契約に基づく取引により発生した過払金を第2の基本契約に基づく取引により生じた新たな借入金債務に充当する旨の合意が存在するものと解するのが相当である。

第1の基本契約に基づく貸付け及び弁済が行われた期間の長さやこれに基づく最終の弁済から第2の基本契約に基づく最初の貸付けまでの期間,第1の基本契約についての契約書の返還の有無,借入れ等に際し使用されるカードが発行されている場合にはその失効手続の有無,第1の基本契約に基づく最終の弁済から第2の基本契約が締結されるまでの間における貸主と借主との接触の状況,第2の基本契約が締結されるに至る経緯,第1と第2の各基本契約における利率等の契約条件の異同等。

参照法条  (1,2につき)民法488条,利息制限法1条1項